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ユーカリが丘、順天堂大学キャンパス誘致、見送り?  

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   毎日新聞千葉版、2月7日の記事に「佐倉市予算案 24億円計上見送り 順天堂大要請 新キャンパス支援」とあった。そうだ、私も昨年10月に「市長、ふらふらするな」とこのブログで記事にした。「佐倉市大学等の誘致に関する懇話会」が昨年5月から5回の会議を経て12月までに意見書が出されていてもいいはずだった。あらためて、佐倉市のホームページで見ると、今年1月9日付の意見書が1月22日付で公表されていた。どんな意見書が出て、市当局は、どんな判断で15年度予算を作成中なのか、知りたいところではある。毎日以外には、関係記事がないので、独自取材ということであろうか。スキャンをしたのでご覧いただきたい。
    記事によれば、市は、大学への財政支援について、つぎの2点①事業計画の詳細が示されておらず、市民への説明責任を果たせない ②上記「懇話会」は、佐倉市が過去に誘致した2病院(東邦大学佐倉病院、佐倉聖霊病院)への補助金15億~20億を下回ることを妥当とする、ことから15年度予算計上を見送ったとある。

   もしこれが事実とすれば、賢明な判断であったと思う。上記2病院の社会的、経済的効果と比較しても、順天堂大学からの要請、スポーツ科学部拡充に伴うキャンパス移転誘致への(建設費他48億5000万の半額程度)24億円の財政援助は、佐倉市にとってはいかにも無謀である。そもそも、発端は、ディベロッパー山万の順天堂への「ユーカリが丘駅北口の約3000坪を順天堂に無償貸与するから」という誘いによるものだった。山万は、駅前の高層ビルの一画がキャンパスとなって若者が出入りすれば、街のイメージが上がるとでも思ったのだろうか、周辺への経済効果、人口増加、雇用拡大などにつながると喧伝していたらしい。土地区画整理事業の一画でもありながら関係住民への説明が不透明なこともあって、市の姿勢を問う要望書も出ていた。

  今年は地方選挙が控えているので、15年度当初予算案は、「骨格予算」として常任委員会と市議会との審議に限られるそうだ。予算特別審査会が省かれ、当初予算案は新しいメンバーの市議会に委ねられるそうだ。とすると、以降の修正案や補正予算案審議の行方をしっかりと見極めなければと思う。何しろ、佐倉市議会では2012年12月「順天堂大学の誘致に関する意見書」として多数で採択されてもいるからである。

  企業誘致にしても、大学誘致にしても、期待のあまり、自治体財政の圧迫や撤退の憂き目を想定できずに失敗している例が多い。佐倉市はそれらを教訓に、長期的な視野で、決断してほしい。

◆ 内野光子のブログ「ユーカリが丘駅前の大学誘致をめぐるおかしな動き、やっぱり、山万が ~第3回「大学等の誘致に関する懇話会」(2014年10月10日)傍聴から振り返る」1~2
(1) http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2014/10/post-7e2b.html 
(2014年10月10日)
(2)http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2014/10/320141010-ebd5.html
 (2014年10月14日)

◆佐倉市ホームページ「大学誘致に伴う公的支援のあり方かたについて」 (佐倉市大学等の誘致に関する懇話会 2015年1月9日、1月22日佐倉市HP公表) http://www.city.sakura.lg.jp/cmsfiles/contents/0000011/11401/daigakuyuuti_all.pdf

◆毎日新聞千葉版記事(2015年2月7日)
http://dmituko.cocolog-nifty.com/daigakuyutimainiti.jpg


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